石川 寅治 ISHIKAWA Toraji 裸婦十種 鈴の音

石川 寅治 ISHIKAWA Toraji 裸婦十種 鈴の音

(SH-0061)

作品情報

作家名 石川 寅治/ISHIKAWA Toraji
作品名 裸婦十種 鈴の音
商品番号 SH-0061
寸法 全体のサイズ:-
刷りのサイズ:H29.8cm×W38.1cm
摺刷 不明
備考 印刷汚れあり

コンディション

ヤケ シミ
ヤブレ チギレ
オレ 裏打ち
ムシクイ マージンカット
テープ跡 ピンホール

コンディションについて

作品詳細

巧みな色使いで、裸婦などの婦人像、美人画を描いた石川寅治。
代表作である「裸女十種」シリーズの中の一点です。
絨毯が敷かれた床の上に、女性と小型犬が描かれています。女性は犬と戯れながら、足元を崩してゆったりとくつろいでいます。真っ赤な絨毯の色が、女性の肌の白さを際立てています。犬の繊細な毛並みも丁寧に表現されており、女性の持つ鈴に目を輝かせる姿が非常に愛らしいです。
鈴の優しい音色が聞こえてきそうな、趣のある一枚です。

作家情報

石川 寅治/ISHIKAWA Toraji
明治8年(1875)〜昭和39年(1964)
日本 高知県出身

略歴

寅治は石川家の長男として生まれました。1891年に上京し、小山正太郎の「不同舎」という私画塾に入学。明治美術会に「野鴨」を初出品の後、同会に出品を続け、1900年のパリ万博にも作品を出品しました。翌年には明治美術会の組織改革により新会務委員となり、吉田博らとともに「太平洋画会」を結成しました。水彩画のほかに、油絵、素描、木版画、彫刻などを制作します。
明治末期から大正期には主として裸婦などの婦人像、美人画を多く描きましたが、後に風景画へと移行し、印象派のような明るい画風に変化していきます。寅治の風景画には、国内各地の風景などを巧みな色使いで捉えた作品が多くみられますが、1902年から2年余りにわたり欧米に留学し、各地で作品を発表するなど、日本国内のみにとどまらず旺盛な創作意欲、活動意欲をみせました。
1907年に始まった文展には第1回展より出品、受賞を重ね、1917年より無鑑査(審査や鑑査なしで出品が可能であると認められること)となりました。以後、帝展を経て戦後の日展まで作品を発表し、帝展時代は審査員、役員を歴任。1918年には東京高等師範学校の図画講師、1943年には太平洋美術学校の校長をつとめるなど、美術教育にも力を尽くしました。太平洋画会を脱会した後は示現会を結成し、主宰者となります。1949年には東京教育大学の講師を任され、多くの学生を指導。同年には洋画界、教育界に尽くした功績によって、芸術院恩賜賞を受賞しました。

作品の特徴

初期の石川寅治は、洗練された構図や美しい線を用いて近代的な裸婦像を描いていましたが、のちには港や船などの風景画に転じ、アカデミックな作風から次第に印象主義的な明るい色彩と明瞭な形態の風景画を描くようになったといいます。
代表作には1893年の第5回明治美術会展に出品した「野鴨」や、1914年に文展二等賞を獲得した「港の午後」などがありますが、裸婦などの婦人像、美人画を多く描いた明治末から大正では「裸女十種」シリーズが有名です。

在庫状態 : 売り切れ
¥98,000(税込)
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